記憶論の展開−心理学と歴史学
過去論一般への関心−哲学での時間論や過去論から社会学的過去論へ
『過去と記憶の社会学』での3つの主要な関心
1)実証主義的な歴史観への批判
?集合的過去について
集合的記憶と歴史
?集合的過去の物語性あるいは構築性
歴史の構築性
歴史実証主義とクローチェ−生きた歴史と死んだ年代記
物語論的な歴史論
集合的記憶の構築性
記憶の枠組としての集団−アルヴァックスの集合的記憶論
2)集合的な過去論と自己論、相互行為論との結びつけ
?自己の同一性問題
過去の自己と現在の自己との関連づけ
身体的同一性と意識的同一性から物語的同一性へ
個人誌の事実性と構築性
?集合的過去の物語と自己物語との共通性と違い
共同化と構造化
?自己物語のリソースとしての集合的過去という考えへ
経験を越えた過去の物語化の不可欠性
歴史と集合的記憶と自己物語
集合的アイデンティティの問題−集合的過去の共同性とは
自己物語の共有による集団的アイデンティティの形成
相互行為における物語や記憶の付与−集団の枠組、公共的過去の非実在性
過去や記憶の相互行為論的な視点へ
?同一性や物語と相互行為
自己物語の社会性
他者によって付与される物語
3)集合的過去の縮小、多元化という視点
?近代化と集合的過去の縮小
近代国家と共同体的な記憶の解体
アルバックスの指摘−家族と貴族
ノラの「記憶の場」論と記憶の私化
?消費社会と集合的過去の縮小
ナルシシズム的自己論
記念行事のイベント化
?アイデンティイ・ポリティクスと歴史的物語の多元化
自己のカテゴリー化と物語の構築